小規模企業共済について

 節税対策として有名な「小規模企業共済」というものがあります。この制度は、経営者の方(常時使用従業員20名以下の個人事業主・法人役員など)が事業を廃止した場合や退職後の生活資金を準備するための共済制度ですが、メリットとデメリットの一部について簡単に説明したいと思います。

メリット1 国が作った共済制度であり、安心確実な運営がされています。

メリット2 掛金の全額が所得控除になります。

掛金の最高額は月額7万円です。年間最高額の84万円を20年間支払いした場合、所得税率20%、住民税10%の人であれば、トータルの節税額は約500万円となります。(税金が発生しない年は節税のメリットがありません)

メリット3 掛金として支払った額を、廃業時に一括で受け取ると退職所得になります。

退職所得は、他の所得に比べて税金が少なくなるような計算方法になっています。
掛金年数や払出理由により、受取金額は変わりますが、掛金年数が20年以上であれば運用益も加算されて掛金が戻ってきます。また、掛金の戻りに対して税金がかかりますが、「メリット2」で節税できた金額を大幅に下回るケースも少なくありません。なお、受け取り方法などにより、税金の計算方法が変わりますので注意が必要です。

デメリット

 積み立て期間が6カ月未満で、廃業または死亡した場合や、積み立て期間が12カ月未満で解約した場合は掛け捨てとなります。
 また、積立期間が240カ月未満の場合で、任意に解約される場合は、受取額が掛金の合計額を下回ります。

 早期の解約などは、受け取る金額が減る可能性もありますので注意が必要です。
 支払時に節税できる金額と、受け取るときに発生する税金のバランスも確認する必要がありますので、小規模企業共済の加入については全体的なシミュレーションを必ず行うようにしてください。