会社の変化を早くつかむ|税理士が毎月行う巡回監査

 巡回監査とは、税理士や監査担当者が毎月会社を訪問し、帳簿や請求書、領収書などの会計資料を確認する業務です。取引が正しく記帳されているか、計上漏れや入力ミスがないかを確認し、正確な会計帳簿と月次決算書の作成を支援します。

巡回監査では、帳簿の確認だけでなく、毎月の売上や利益、経費、預金残高、売掛金、借入金なども確認します。前年同月や目標と比較することで、売上の減少、経費の増加、利益率の低下、資金繰りの変化など、会社の課題に早く気づくことができます。

問題を早期に把握できれば、価格の見直しや経費削減、資金調達、設備投資など、必要な対策を早めに検討できます。また、毎月顔を合わせることで、税務や会計だけでなく、今後の経営方針や資金繰りについても相談しやすくなります。

 巡回監査は、過去の数字を確認するだけのものではありません。会社の現状を正しく把握し、今後の経営判断に活かすための大切な仕組みです。当事務所では、毎月の巡回監査を通じて、正確な会計処理と継続的な経営支援を行っています。

値下げだけではない|顧客の負担を軽くする「価格」の考え方

 物価高が続くなか、商品やサービスを販売する事業者には、単に値下げをするだけでなく、顧客の負担感を軽くする「仕組み」を考えることが求められています。価格の見直しは、値段そのものを下げることだけではありません。

一つ目は、「所有」ではなく「利用」に対価をもらう考え方です。高額な商品を購入してもらうのではなく、必要な期間だけ利用できるレンタルやシェアリング、月額制のサービスにすることで、顧客の初期負担を抑えられます。事業者にとっても、継続的な収入につながる可能性があります。

二つ目は、サービスを利用する人と費用を負担する人を分ける考え方です。例えば、広告主や提携企業が費用の一部を負担することで、利用者の料金を抑える仕組みが考えられます。誰に価値を提供し、誰から対価を受け取るのかを見直すことが、新しい収益モデルにつながります。

三つ目は、無料と有料の境界を工夫することです。基本的な機能を無料で提供し、高度な機能やサポートを有料にすることで、まずサービスを試してもらいやすくなります。

商品やサービスの価値を保ちながら、顧客が利用しやすい仕組みに変えることで、新たな需要や継続的な収益につながる可能性があります。現在の取引方法を当たり前と思わず、誰にどのような価値を提供し、どのように対価を受け取るのかを見直してみましょう。

 深谷尚生税理士事務所では、月次決算や経営計画の支援を通じて、売上・利益・資金繰りを確認しながら、価格設定や収益構造についても経営者の皆さまと一緒に考えています。価格の見直しや今後の経営方針についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

令和8年分から所得税の年収ラインが178万円に|給与改定時の注意点

 令和8年度税制改正により、所得税の基礎控除と給与所得控除が見直され、令和8年分から所得税がかからない年収の目安が変わります。

令和7年分は、給与収入160万円までが所得税のかからない目安でしたが、令和8年分・令和9年分は、基礎控除と給与所得控除の引上げにより、年収178万円まで拡大します。給与所得控除の最低保障額は65万円から69万円へ引き上げられ、さらに令和8年分・令和9年分には5万円の特例が上乗せされます。基礎控除についても、本則の引上げに加えて、所得に応じた特例が設けられます。

今回の改正は、働き控えの解消と手取り額の増加を後押しする内容です。多くの給与所得者に減税効果が及ぶ一方、配偶者控除や扶養控除などの判定基準も変更されるため、前年と同じ収入でも控除額が変わる場合があります。

また、所得税だけでなく、住民税や社会保険には別の年収ラインがあります。社会保険では、勤務先の規模や労働時間などによって年収約106万円が加入の目安となる場合があり、年収130万円以上になると扶養から外れる可能性があります。住民税についても、所得税とは異なる基準で課税されます。

 年収ラインの見直しは、社員の手取り額だけでなく、会社の給与設計や人件費にも関係します。給与を変更する前に、税金と社会保険の両面から影響を確認し、従業員にとっても会社にとっても無理のない金額を検討しましょう。深谷尚生税理士事務所では、給与改定、年末調整、所得税改正への対応を支援しています。ご不明な点はお気軽にご相談ください。

金融機関との信頼関係を築く|月次試算表を提出するメリット

 月次試算表とは、毎月の売上、経費、利益、資産、負債などを集計し、会社の経営状況を確認するための資料です。金融機関へ決算書だけでなく月次試算表も定期的に提出することで、会社の現状をより早く、正確に理解してもらいやすくなります。

決算書は原則として年に一度作成されるため、金融機関が確認する時点では、数か月前の情報になっている場合があります。一方、月次試算表を提出すれば、直近の売上や利益、借入金残高、売掛金、在庫などの状況を共有できます。

特に、売上が増加している場合や、業績改善に取り組んでいる場合は、その成果を早期に伝えられる点が大きなメリットです。反対に、利益の減少や資金繰りの悪化が見込まれる場合も、早めに説明しておけば、追加融資や返済条件について余裕をもって相談できます。

また、毎月正確な試算表を作成し、継続して情報を開示する姿勢は、金融機関との信頼関係づくりにもつながります。ただし、数字を提出するだけでなく、前年や計画との違い、その原因、今後の対応方針もあわせて説明することが重要です。

 深谷尚生税理士事務所では、月次決算を通じて数字の変化を確認し、経営課題や今後の対応を経営者の皆さまと一緒に考えています。月次試算表を金融機関への説明や資金調達に活かしたい方は、お気軽にご相談ください。

税務調査に備えるために|日頃から整えておきたい帳簿と資料

 税務調査では、申告書の数字が正しいかだけでなく、その数字の根拠となる帳簿、請求書、領収書、契約書、預金資料などが整っているかを確認されます。国税庁が「必ず確認する項目」を一律に公表しているわけではありませんが、実務上は次のような点を説明できるようにしておくことが大切です。

まず確認したいのが、売上の計上漏れや計上時期です。現金売上、振込売上、売掛金などが帳簿に漏れなく記録されているか、請求書や預金入金額と一致しているかを確認します。期末前後の取引は、翌期へずれていないかにも注意が必要です。

次に、経費の事業関連性です。交際費、旅費交通費、外注費、車両費などは、誰に、何の目的で支払ったのかを説明できる資料を残しておきましょう。役員や事業主の私的な支出が混在している場合は、経費から除外する必要があります。

棚卸資産や固定資産も重要です。決算日時点の在庫数量が正しいか、長期間動いていない在庫がないか、設備や車両の取得価額、修繕費との区分、減価償却の計算が適切かを確認します。

さらに、人件費や外注費について、実際の勤務・業務実態、契約内容、支払記録が確認されることがあります。家族への給与や役員報酬は、支給額や手続が税務上の要件に合っているか注意が必要です。

法人と代表者個人の資金移動についても、役員貸付金・借入金、立替金、個人名義口座への入金などが事業と関係する場合、確認対象になり得ます。国税庁のFAQでも、法人税調査に必要な場合には、代表者個人名義の預金資料の提示を求めることがあると説明されています。

調査では、法令上保存が必要な書類に限らず、調査に必要と認められる帳簿書類や電子データの提示・提出を求められる場合があります。電子帳簿やPDF資料も、画面表示、印刷、データ提供などで確認できる状態にしておくことが必要です。

 深谷尚生税理士事務所では、適正な申告と税務調査への備えを支援するほか、書面添付制度を利用し、税務調査のリスクを下げる取り組みをしています。日頃の経理処理や税務調査対応に不安がある方は、お気軽にご相談ください。

中小企業の成長を支える|活用したい主な補助金を紹介

 中小企業が設備投資や販路開拓、業務効率化を進める際には、国や自治体の補助金を利用できる場合があります。補助金は返済不要ですが、原則として審査があり、申請すれば必ず受け取れるものではありません。

代表的な制度の一つが「小規模事業者持続化補助金」です。経営計画に基づいて行う広告、チラシ、ホームページ、店舗改装など、販路開拓の取組を支援します。小規模事業者が新しい顧客を増やしたい場合に検討しやすい補助金です。

会計ソフト、受発注システム、AIを含むITツールなどの導入には、「デジタル化・AI導入補助金」があります。従来のIT導入補助金から名称が変わり、中小企業のデジタル化や生産性向上を支援しています。

人手不足への対応には、「中小企業省力化投資補助金」があります。カタログに掲載された汎用製品を導入する方法と、現場に合わせた設備やシステムを導入する一般型が設けられています。

このほか、新製品・新サービスの開発、事業承継、M&A、新分野への進出などを支援する制度もあります。ただし、補助金は通常、交付決定前に契約や支払いをすると対象外になることがあります。申請期限、対象経費、賃上げ要件なども制度ごとに異なります。

 補助金は、事業を成長させるための手段の一つです。採択を目的にするのではなく、自社の課題や将来像に合った投資かを見極めることが大切です。深谷尚生税理士事務所では、顧問先様に活用できそうな補助金について情報提供を行うサービスを行っております。

税金・社会保険・信用力で比較|法人化を検討するポイント

 個人事業主が法人化を検討するとき、「売上がいくらになったら法人にすべきか」と考えがちです。しかし、売上だけで判断するのではなく、利益の状況や社会保険料、取引先との関係、今後の事業計画まで含めて比較することが大切です。

税金の面では、個人事業主にかかる所得税は、所得が増えるほど税率が高くなる仕組みです。利益が継続して増えてきた場合は、法人税や役員報酬を含めた税負担を比較することで、法人化のメリットが生じる可能性があります。一方、法人には利益が少ない場合でも法人住民税の均等割がかかり、決算や申告に必要な費用も増えます。

社会保険についても注意が必要です。法人は、原則として健康保険と厚生年金保険への加入が必要となり、会社にも保険料負担が発生します。役員報酬の金額によって、税金や社会保険料、会社の資金繰りが変わるため、事前の試算が欠かせません。

信用力の面では、法人化によって事業と個人の財産を区分しやすくなり、金融機関からの融資や企業との新規取引、従業員の採用などに有利に働くことがあります。ただし、法人化すれば必ず信用力が上がるわけではなく、適正な会計処理と継続的な業績管理が重要です。

 法人化の適切な時期は、事業者ごとに異なります。深谷尚生税理士事務所では、税金、社会保険、資金繰りなどを総合的に比較し、将来を見据えた法人化を支援しています。

売上だけでは見えない経営の変化|数字を「かたち」で分析する方法

 会社の経営状況を把握するには、売上や利益などの数字を毎月確認することが大切です。ただし、単月の数字だけを見ていると、経営上の重要な変化を見落とすことがあります。数字を時系列のグラフにして、その動きを「かたち」で捉えると、会社の現状が見えやすくなります。

一つ目は「ワニの口」です。売上は伸びているのに、原材料費や人件費などのコストがそれ以上に増え、利益が残らなくなっている状態を表します。売上とコストの線が大きく開き始めたら、価格設定や経費の見直しが必要です。

二つ目は「K字」です。会社全体では順調に見えても、部門別、商品別、取引先別に分けると、伸びている分野と落ち込んでいる分野が同時に存在している状態です。成長分野へ投資するのか、不採算部門を立て直すのかを判断する材料になります。

三つ目は「Jカーブ」です。新商品や新規事業では、先行投資によって一時的に利益が落ち込んだ後、成果が出て大きく伸びることがあります。ただし、将来の成長に向けた意図的な赤字なのか、改善の見込みがない停滞なのかを見極めなければなりません。

 毎月の売上や利益を確認するだけでなく、その推移をグラフで「かたち」として見ることで、利益を圧迫するコストの増加や、不採算部門、将来に向けた先行投資の状況が分かりやすくなります。深谷尚生税理士事務所では、月次決算を通じて数字の変化を確認し、経営課題や今後の対応を経営者の皆さまと一緒に考えています。会社の数字を経営判断に活かしたい方は、お気軽にご相談ください。

青色申告・小規模企業共済を活用|個人事業主の節税方法を解説

 個人事業主の節税では、必要以上にお金を使うのではなく、正しい経理処理と制度の活用によって税負担を適正にすることが大切です。

 まず確認したいのが、事業に必要な支出を漏れなく必要経費に計上できているかです。仕入代金、消耗品費、通信費、旅費交通費、広告宣伝費など、事業との関係を説明できる支出は経費になる可能性があります。自宅や自家用車を事業にも使用している場合は、使用割合に応じて家賃、電気代、ガソリン代などを按分します。領収書や請求書だけでなく、支出目的も記録しておきましょう。

青色申告を選択し、複式簿記による記帳及び電子申告などの要件を満たすと、65万円の青色申告特別控除を受けられます。さらに、令和9年からは一定の会計帳簿の要件を満たせば、75万円控除の対象になります。

 また、小規模企業共済の掛金は、支払った全額が所得控除の対象です。将来の廃業や退職に備えながら、所得税と住民税の負担を軽減できる制度ですが、途中解約では元本割れする場合があるため、資金繰りを考えて掛金を決める必要があります。

 このほか、家族が実際に事業へ従事している場合の青色事業専従者給与、設備の減価償却、各種所得控除なども検討できます。節税は、利益や生活資金、将来計画を踏まえて行うことが重要です。深谷尚生税理士事務所では、事業の状況に合った節税方法をご提案しています。

確定申告は早めの準備が大切|直前になって困らないための進め方

 確定申告は、期限直前になってからまとめて準備しようとすると、資料不足や入力漏れが起こりやすくなります。特に個人事業主の方は、日頃から少しずつ整理しておくことが大切です。

まず確認したいのが、売上と経費の記帳です。請求書、領収書、通帳、クレジットカード明細などを月ごとに整理し、会計ソフトへの入力をためないようにしましょう。現金売上や振込売上についても、計上漏れがないか確認が必要です。

次に、年末までに確認しておきたいのが固定資産や棚卸資産です。パソコンや車両、機械などを購入した場合は、取得時期や金額によって処理方法が異なります。また、商品や材料を扱う事業では、年末時点の在庫数量を確認しておく必要があります。

生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、医療費控除、ふるさと納税など、所得控除に関する資料も早めに集めておきましょう。紛失している場合は、再発行に時間がかかることもあります。

 確定申告は「年に一度まとめて行う作業」ではなく、毎月の経理の積み重ねです。深谷尚生税理士事務所では、日々の記帳から月次決算、確定申告まで継続してサポートしています。早めに準備を進めたい方は、お気軽にご相談ください。