領収書の正しい保存と経費処理|基本ルールを確認しましょう

 領収書は、会社や個人事業主が支払いをした事実を証明する大切な書類です。ただし、領収書があれば、すべて経費にできるわけではありません。経費として認められるかどうかは、その支出が事業に関係しているか、誰に対して、どのような目的で支払ったかによって判断されます。

領収書には、日付、宛名、金額、但し書き、発行者などを記載し、必要に応じて支出の目的や参加者も補足しておくことが大切です。私的な買い物が含まれている場合は、事業分だけを区分して処理する必要があります。

自動販売機や券売機などで領収書が発行されない場合は、支払日、支払先、金額、内容を記載した支払証明書を作成します。クレジットカードや電子マネーを利用した場合は、利用明細や利用履歴も保存しておきましょう。

また、メール添付のPDFなどで受け取った電子領収書は、原則として印刷せず、電子データのまま保存します。インボイスに該当するか確認する際は、登録番号、適用税率、税率ごとの消費税額などの記載も確認が必要です。

 領収書の紛失や不正利用を防ぐため、金額ごとの事前承認や提出期限など、社内ルールを整えておくことも重要です。深谷尚生税理士事務所では、経費処理や証憑保存、電子帳簿保存への対応を支援しています。領収書の取扱いにお困りの方は、お気軽にご相談ください。

令和8年度税制改正|インボイス制度の経過措置が変わります

 令和5年10月に開始されたインボイス制度では、制度への移行による事業者の負担を軽減するため、いくつかの経過措置が設けられています。令和8年度税制改正では、そのうち「2割特例」と、免税事業者等からの課税仕入れに関する仕入税額控除の取扱いが見直されます。

「2割特例」とは、インボイス制度をきっかけに免税事業者からインボイス発行事業者となった一定の事業者について、納付する消費税額を売上に係る消費税額の2割とする特例です。申告時に選択でき、事前の届出を必要としない点も特徴です。

今回の改正では、法人を対象とした2割特例は終了します。一方、個人事業者については、これまで2割特例の対象となっていた方を含め、令和9年分と令和10年分に限り、納付税額を売上に係る消費税額の3割とする「3割特例」が設けられます。現在2割特例を利用している個人事業者は、納税額が増える可能性があるため、簡易課税制度との比較も含めて確認しておくことが大切です。

また、免税事業者やインボイス発行事業者の登録をしていない課税事業者からの仕入れについて、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置も変更されます。適用期間は2年間延長されますが、控除割合は段階的に引き下げられ、令和8年10月から70%、令和10年10月から50%、令和12年10月から30%となる予定です。

免税事業者等との取引が多い事業者は、今後、消費税負担が徐々に増える可能性があります。取引先のインボイス登録状況を確認し、会計システムの設定、帳簿の区分、仕入税額控除の計算方法などを早めに見直しておきましょう。

 深谷尚生税理士事務所では、インボイス制度、簡易課税制度、消費税申告への対応を支援しています。制度改正による影響が気になる方は、お気軽にご相談ください。

令和9年分から変わる「青色申告特別控除」とは?

 個人の青色申告者が受けられる「青色申告特別控除」は、令和9年分の所得税から適用要件と控除額が見直されます。

改正後は、複式簿記で記帳し、期限内に電子申告を行っている場合、控除額は原則65万円となります。さらに、電子申告に加えて、訂正・削除の履歴や取引データの検索機能などを備えた「優良な電子帳簿」を保存し、一定の届出を行う場合には、控除額が75万円に引き上げられます。

一方、複式簿記で記帳していても書面で申告する場合は、控除額が従来の55万円から10万円へ引き下げられます。また、簡易簿記による10万円控除は対象者が限定され、前年の収入が1,000万円を超える場合には適用できなくなります。

今回の改正では、「複式簿記」「電子申告」「優良な電子帳簿の保存」が重要なポイントです。書面申告を続けている方は税負担が増える可能性があるため、早めに電子申告への切替えや帳簿保存方法の見直しを進めましょう。

 深谷尚生税理士事務所では、75万円の青色申告特別控除の要件になる優良な電子帳簿の導入を標準業務として行っています。お気軽にご相談ください。

令和8年10月から変わる「ふるさと納税」のポイント

 ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体へ寄附を行い、一定の上限額の範囲内で、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税や住民税の控除を受けられる制度です。自治体によっては、地域の特産品などの返礼品を受け取ることもできます。

令和8年10月からは、返礼品競争の過熱を抑え、地域産品の活用を促すため、制度の運用ルールが見直されます。自治体が寄附を募集する際の経費について、募集費用を寄附額の40%相当以下とし、自治体に残る寄附金の割合を60%相当以上とする基準が設けられます。

また、加工品などの返礼品については、地域内で生じた付加価値が一定割合以上であることの証明や公表が求められます。返礼品を提供する事業者には、価格や付加価値について、これまで以上に明確な説明が必要となる場合があります。

 ふるさと納税は、税負担を抑えながら応援したい自治体に寄附できる制度ですが、控除上限額や申請方法を誤ると、十分な控除を受けられないことがあります。制度改正の内容や返礼品だけに注目するのではなく、ご自身の収入や家族構成に応じた寄附上限額を確認し、期限内に確定申告またはワンストップ特例の手続きを行うことが大切です。ふるさと納税についてご不明な点がある方は、お気軽にご相談ください。

金利上昇時代に備える|金融機関との上手な付き合い方

 日本の金利は、長く続いた超低金利の時代から、緩やかな上昇局面に入りつつあります。借入金利が上昇すれば、同じ借入額でも支払利息が増え、会社の利益や資金繰りに影響します。急に資金が必要になったときに慌てないためにも、日頃から金融機関との関係を築いておくことが大切です。

まず重要なのは、会社の経営状況を感覚ではなく数字で把握することです。毎月の売上や利益、売掛金の回収状況、在庫、仕入れ、固定費、借入金残高などを確認し、変化があれば早めに原因を分析します。数字を継続して確認することで、資金不足の兆候にも気づきやすくなります。

また、金融機関には決算書だけでなく、月次試算表や資金繰り表、経営計画などを定期的に提出し、会社の現状や今後の方針を伝えることも重要です。金融機関は、借りた資金が何に使われ、計画どおり返済できるかを確認しています。日頃から積極的に情報を開示することで、会社の状況を理解してもらいやすくなり、必要なときの融資相談も円滑に進めやすくなります。

 深谷尚生税理士事務所では、月次決算や資金繰りの確認、金融機関への情報提供を通じて、会社の財務体質づくりを支援しています。借入れや資金繰り、金融機関との付き合い方についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

会社の成長と将来を考える|事務所通信7月号

 深谷尚生税理士事務所では、経営や税務に役立つ情報をまとめた「事務所通信2026年7月号」を発行しました。

今月号の経営記事では、会社の安全性や財務体質を判断する指標である「自己資本比率」を取り上げています。自己資本比率は、単年度の利益だけでは分からない、これまでの経営努力の積み重ねを表す数字です。長期的に自己資本比率を高めることは、借入金への依存を抑え、安定した経営につながります。

税務記事のテーマは「自社株評価」です。非上場会社の株式は市場価格がないため、事業承継や相続を考える際には、現在の評価額を把握しておくことが大切です。利益の蓄積や不動産の保有状況によっては、想定以上に評価額が高くなっている場合があります。

また、急な資金需要に備えて知っておきたい、融資や信用保証などの資金繰り支援策も紹介しています。資金調達は、必要になってから慌てて動くのではなく、日頃から会社の財務状況を整え、利用できる制度を確認しておくことが重要です。

 このほか、建設業界の処遇改善に向けた「職人いきいき宣言」についても掲載しています。今回の内容が、皆さまの経営を考えるきっかけになれば幸いです。ぜひご覧ください。

正社員・パートタイマー募集中

当事務所では、職員研修プログラムを準備していますので、簿記3級以上の資格があれば、業界での勤務経験なしでも問題ありません。

もちろん経験者も歓迎いたします!

将来へのキャリアを積みたい!自宅近くで事務仕事を中心にやりたい!様々な顧問先様を訪問していろいろなお話を聞きたい!などやる気に満ち溢れた人を歓迎しています。

入所当初は、オンデマンドや集合研修などを受講していただき、会計入力や雑務を通して会計事務所の仕事を覚えていただきます。その後、所長や職員と顧問先様を訪問し、同行研修を行なった後、監査担当者として毎月の巡回監査や経営助言などの業務に従事していただく予定です。

単純な入力作業の業務ではなく、顧問先様に親身になって経営のお手伝いができるやりがいのある仕事です。

勤務地刈谷市寿町(当事務所)
勤務形態原則、事務所に出勤。事務及び各顧問先への監査業務。
給与正社員 月給 20万円以上
パートタイマー時給1,200円以上
資格及び能力による加算要件あり
昇給制度、有給制度あり
その他社会保険適用事務所

事務所移転のお知らせ

 当事務所は、令和6年2月から刈谷市寿町4丁目のカメリオンビル1STの2階に事務所を移転しております。
 刈谷駅から徒歩15分程度の距離で、刈谷郵便局のすぐ近くになります。
 お客様駐車場及び面接ブースも用意しておりますので、今まで以上に相談しやすい環境になりました。
 これから確定申告の時期を迎えます。確定申告が不安な方、手間を省きたい方、税理士にアドバイスを受けたい方は、お気軽にご相談ください。

小規模企業共済について

 節税対策として有名な「小規模企業共済」というものがあります。この制度は、経営者の方(常時使用従業員20名以下の個人事業主・法人役員など)が事業を廃止した場合や退職後の生活資金を準備するための共済制度ですが、メリットとデメリットの一部について簡単に説明したいと思います。

メリット1 国が作った共済制度であり、安心確実な運営がされています。

メリット2 掛金の全額が所得控除になります。

掛金の最高額は月額7万円です。年間最高額の84万円を20年間支払いした場合、所得税率20%、住民税10%の人であれば、トータルの節税額は約500万円となります。(税金が発生しない年は節税のメリットがありません)

メリット3 掛金として支払った額を、廃業時に一括で受け取ると退職所得になります。

退職所得は、他の所得に比べて税金が少なくなるような計算方法になっています。
掛金年数や払出理由により、受取金額は変わりますが、掛金年数が20年以上であれば運用益も加算されて掛金が戻ってきます。また、掛金の戻りに対して税金がかかりますが、「メリット2」で節税できた金額を大幅に下回るケースも少なくありません。なお、受け取り方法などにより、税金の計算方法が変わりますので注意が必要です。

デメリット

 積み立て期間が6カ月未満で、廃業または死亡した場合や、積み立て期間が12カ月未満で解約した場合は掛け捨てとなります。
 また、積立期間が240カ月未満の場合で、任意に解約される場合は、受取額が掛金の合計額を下回ります。

 早期の解約などは、受け取る金額が減る可能性もありますので注意が必要です。
 支払時に節税できる金額と、受け取るときに発生する税金のバランスも確認する必要がありますので、小規模企業共済の加入については全体的なシミュレーションを必ず行うようにしてください。