税務調査に備えるために|日頃から整えておきたい帳簿と資料

 税務調査では、申告書の数字が正しいかだけでなく、その数字の根拠となる帳簿、請求書、領収書、契約書、預金資料などが整っているかを確認されます。国税庁が「必ず確認する項目」を一律に公表しているわけではありませんが、実務上は次のような点を説明できるようにしておくことが大切です。

まず確認したいのが、売上の計上漏れや計上時期です。現金売上、振込売上、売掛金などが帳簿に漏れなく記録されているか、請求書や預金入金額と一致しているかを確認します。期末前後の取引は、翌期へずれていないかにも注意が必要です。

次に、経費の事業関連性です。交際費、旅費交通費、外注費、車両費などは、誰に、何の目的で支払ったのかを説明できる資料を残しておきましょう。役員や事業主の私的な支出が混在している場合は、経費から除外する必要があります。

棚卸資産や固定資産も重要です。決算日時点の在庫数量が正しいか、長期間動いていない在庫がないか、設備や車両の取得価額、修繕費との区分、減価償却の計算が適切かを確認します。

さらに、人件費や外注費について、実際の勤務・業務実態、契約内容、支払記録が確認されることがあります。家族への給与や役員報酬は、支給額や手続が税務上の要件に合っているか注意が必要です。

法人と代表者個人の資金移動についても、役員貸付金・借入金、立替金、個人名義口座への入金などが事業と関係する場合、確認対象になり得ます。国税庁のFAQでも、法人税調査に必要な場合には、代表者個人名義の預金資料の提示を求めることがあると説明されています。

調査では、法令上保存が必要な書類に限らず、調査に必要と認められる帳簿書類や電子データの提示・提出を求められる場合があります。電子帳簿やPDF資料も、画面表示、印刷、データ提供などで確認できる状態にしておくことが必要です。

 深谷尚生税理士事務所では、適正な申告と税務調査への備えを支援するほか、書面添付制度を利用し、税務調査のリスクを下げる取り組みをしています。日頃の経理処理や税務調査対応に不安がある方は、お気軽にご相談ください。